よくあるご質問 - パッキンに関するご質問
Q1 流体が粉体の場合に推奨するパッキンは何でしょうか?
強度が高いアラミド繊維を使用したパッキン(TOMBO No.9040、TOMBO No.9040-W等)をお勧めいたします。
流体が粉体や粘性の高い樹脂、スラリーの回転機(ニーダー、混練機、回転式乾燥機など)では、固体粒子がパッキンを攻撃し、パッキンが磨耗する可能性があります。この様な場合には、強度が高いアラミド繊維を使用したパッキンを推奨いたします。
<パッキンの選定例>
TOMBO No. 9040 アラミドファイバーパッキン |
防弾チョッキにも用いられるケブラー繊維を使用した高強度のパッキン。 |
TOMBO No. 9040-W アラミドファイバーパッキン-ホワイト |
TOMBO No. 9040よりも柔らかく、シャフトへの攻撃性は低い。 |
アラミド繊維を使用したパッキンは強度が高い特徴を有している反面、シャフトやスリーブへの攻撃性は、他のパッキンに比べて やや高くなります。
シャフトやスリーブへの攻撃性を低くしたい場合には、以下のパッキンを推奨いたします。
・TOMBO No. 9039 炭化繊維パッキン(PAN系炭素繊維)
・TOMBO No. 9077-L ナフロンカーボンファイバーパッキン-L(炭素繊維)
・TOMBO No. 9038 ジーフロンパッキン(黒鉛入りPTFE繊維)
Q2 低温で推奨するパッキンは何でしょうか?
膨張黒鉛を使用したパッキン(TOMBO No.2280-S等)をお勧めいたします。PTFEを使用したパッキンは推奨いたしません。
マイナス側の温度でも特性の変化がほとんどない、膨張黒鉛製のパッキン(TOMBO No.2280-S等)を推奨致します。
パッキンには基材もしくは潤滑剤にPTFEを用いているものが多いですが、PTFEは熱収縮が大きいため、低温時には以下の性能低下が起きる可能性があります。
・収縮して隙間ができたり、シール性が悪くなる。
・硬化して馴染みや追従性が悪くなる。
そのため、特にPTFEでなければならない場合を除いてはPTFEを使用しているパッキンは避けた方が良いです。
第一推奨 | マイナス側の温度でも特性の変化がほとんどない膨張黒鉛製パッキン *TOMBO No.2280-S等 |
第二推奨 | 基材にPTFEを使用していないパッキン(ディスパージョンのみにPTFEを使用しているパッキン) *バルブ用 TOMBO No.9077、2940 *回転用 TOMBO No.9038、9077-L |
Q3 摺速・PV値とは何ですか?
摺速は軸表面の速度、PV値は圧力と摺速の積のことです。
摺速=摺動速度とは単位時間あたりに動く軸の距離のことで、次式で計算されます。
摺速(m/sec)= 軸径(mm)×円周率π×回転数(rpm)÷1000÷60
※1 rpmは、回転毎分(英語:rotation per minute)の略で、回転などの周期的現象が1分間に繰り返される回数を示す単位
※2 計算例) 軸径60φ、回転数1500rpmの場合
60 (mm)×3.14×1500 (rpm) ÷1000÷60 = 4.7 (m/sec)
PV値とは圧力と摺速を併せた使用範囲のことで、次式で計算されます。
PV値=圧力(P)×摺速(V)
※1 回転機器用パッキンを選定する場合は、圧力、摺速に加えてPV値も考慮する必要があります。